平家落人伝説の残る三好市祖谷地方。(写真は落合集落)
集落風景と合わさって、神秘的な魅力を醸し出しています。
祖谷の落人伝説について、詳しく書かれた本があります。
祖谷の語りべ 安徳帝・平家落人伝説
編著者 森本徳
発行者 有限会社祖谷
(東祖谷歴史民俗資料館で購入)

この本から、落人伝説について紹介します。(写真は落合集落から栗枝渡集落方面)
前書きから抜粋
はじめに
かつて、祖谷は民話・伝説の宝庫でした。とくに、平家落人伝説は、日本有数の量と質を誇っていました。そして、祖谷の人々は、みな優れた語りべでした。夜の団欒では、祖先から伝承した話が、独特のリズムで繰り返し語られ、目を輝かせて聞き入った子供たちは、ごく自然に語りべとして育っていったのです。また、在所の集まりでは、宴に興ずる一方、全員が演者(語りべ)となり、親たちから受け継ぎ磨きをかけた口承文芸(昔話・民話・伝説など)を披露し、その巧みさを競ったものでした。

しかし、このようにして、口承文芸が世代から世代へ引き継がれていったのは、昭和の初頭までのことだったのです。私が物心ついたころ(昭和一けた)には、在所の語りべの競演は全く影をひそめていましたし、家々における親から子への伝達も、支那事変(昭和12年)を境にして、その風習はほとんどとだえてしまいました。(以下略)
(写真は、東祖谷歴史民俗資料館内 安徳天皇)

(途中略)
平家落人伝説は、祖谷の誇りであり宝であるとともに、日本民族の貴重な文化遺産の一つでもあります。消滅するのを座視することはできません。そこで私は、私の耳にかすかに残る親たちや語りべの声を頼りに、語りべの年老いた子供たちの力を借り、また、江戸時代からの記録に支えられて、安徳帝・平家落人伝説の復元を試みました。この冊子に載せた伝説は、明治・大正のころまで語られたものに比べて、その質も劣り、量もまた十分の一にもみたないものではないかと思います。
しかし、ここに収めたものは、もはや滅びることなく、祖谷の人々とともに生き続けるだろうと確認しています。祖谷の人々がこの冊子に親しんでくださるとともに、伝説の中にこめられた、祖谷のせつない願いや深い想いを汲みとってくだされば、この上なく幸いであると思います。(以下略)
(写真は平国盛)

祖谷に伝わる、平家落人伝説は、単に伝説があるということだけでなく、その伝わり方や伝説とともに暮らしがあったということに、大きな意味があるように思います。
写真のような(写真は東祖谷歴史民俗資料館)いろりを囲み、口承されてきた物語。
険しい地形から他との隔絶、そして独自の文化暮らし。
これらは、前書きにあるように、まさに文化遺産といえるものです。

平家落人伝説が暮らしとともにあった、祖谷。

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