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2012/05/26

小豆(あずき)洗い 脇町うだつの町並みに伝わるお話

歴史と伝統の伝わる美馬市脇町のうだつの町並みには、民話も伝わります。
松屋小路の小豆(あずき)洗い。
小豆洗い1

吉田家住宅の二階で、紹介されています。
小豆洗い2

写真では読みにくいので、以下に全文を記載します。
azuki1
azuki2

松屋小路の小豆洗い(南町に伝わる民話)

昔うだつの町並みに「松屋」という大きな呉服店があった。
「吉野川の水は涸れても松屋の金は減らん」と言われるほどの分限者であったので、その西側の道を「松屋小路」と言ったものである。
その松屋呉服店の裏庭に井戸があって、そこにしばしば小豆洗いの狸が現れると言われていた。
松屋のおかみさんは、そのシャリシャリという小豆を研ぐような音に再々眠気をさまされたものだという。
昔北町筋から中町、南町筋にかけては家がぎっしりと建ち込んでいたが、少し北に寄ると不毛の原野が広がっていた。
ほんな町のすっかり秋めいた晩だった。
夜露に濡れたカヤがほのかな月影に妖しく輝いていた。
人恋しい秋の夜長である。
そろそろ夜気も冷ややかになりはじめた頃だった。
床に就こうかと思った時、裏庭の井戸の方からシャリシャリという音が聞こえてきた。
その音を耳にしたおかみさんは「今晩こそ」と。障子のすき間からソッとのぞいてみた。
すると、カスリの着物を着て、髪を高島まげに結った娘さんが井戸端につくなんで、せっせと何かを洗っているような仕種をしているではないか。
その音があたかも小豆を洗っているように聞こえてくるが、後ろ向きにつくなんでいるので、その顔や状態は見えなんだ。
おかみさんは「こんなおそうに、何処の娘さんだろう」と思って、障子を少し開けた。
気を付けていたのだが、その時、ガタッと音がした。思わずハッとした時、既に娘さんの姿は何処へやら、全く見えなくなっていたという。
こんな事が再々あったので、松屋の井戸には小豆洗いの狸が現れて、人をたぶらかすのだと、松屋をはじめ近所の人たちが今日に言い伝えたものである。
出典 國見慶英 著「うだつの町並みと町家の歴史」

うだつの町並みは吉野川とは深いつながりがあります。
吉田家住宅二階にはこのような案内もあります。
小豆洗い4

吉田家住宅の二階からの吉野川の眺望。今は堤防で遮られてますが、昔はすぐ前に吉野川の流れが見えたのだと思います。
小豆洗い5
小豆洗いの狸の話でしたが、「小豆洗い」は妖怪の世界の話でもあります。
三好市山城町で『大歩危リバーフェスティバル』が5月26日、27日開催されています。(にぎわい“そら”ブログから)
27日は妖怪パレードもあるとのこと。妖怪に出会えます。

狸や妖怪などの話が伝わるにし阿波暮らし。うだつの町並みを訪れると、「シャリシャリ シャリシャリ」という音が聞こえてくるかも。

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